「んー…」
寝転んだまま伸びをして目を開けた。
5秒ほどボーッとして、上半身を起こす。
久しぶりによく寝た気がする。
「あ、玉青ちゃんおはよー。」
「おはようございます…。」
普段着のワンピースを着た渚砂ちゃんが視界に入る。
「めずらしいねー、私のほうが玉青ちゃんより早く起きるなんて。」
枕元の目覚し時計を見ると9時前。
いつも起きる時間より2時間も遅い。
「ほんと、寝坊してしまいましたわ。渚砂ちゃんは今日は早かったんですね。」
「うん、なんか目が覚めちゃったんだよ。」
「じゃあ折角ですからどこかへお出かけでもしましょうか?」
「うーん…、あたしは今日はのんびりしてたいなぁ。玉青ちゃんがどこか行きたいなら別だけど。」
「私はどちらでも…、じゃあ今日は二人でゆっくりしましょうか。」
まだベッドの上だった私は起き上がって着替えを始める。
淡いレモン色の半袖のワンピース。
いつだったか、渚砂ちゃんが「かわいい」と言ってくれた服だ。
今日はこれにしよう。
ワンピースに着替えて、髪をいつもどおりに結う。
ふと渚砂ちゃんを見ると、髪はまだ下ろしたままだ。
「渚砂ちゃん、髪結んであげましょうか?」
「あ、うんお願い~。」
渚砂ちゃんを鏡台の前に座らせて、その髪に触れる。
さらさらの茶色がかった綺麗な髪。
それを頭の高い位置で、ボンボンのついたゴムを使って一つにまとめる。
「はい、出来ました。」
「ありがとー。自分でやるとどうしても崩れちゃうんだよねぇ。玉青ちゃんはなんで自分で出来るのー?」
「ふふ、慣れですかね。小さいときからこの髪型なので。」
「わ、玉青ちゃんくすぐったいよ~。」
渚砂ちゃんの耳元で囁くように言うと、敏感な渚砂ちゃんが身をよじった。
少し名残惜しいと思いながらも、その細い身体から離れる。
「さあ、朝ご飯を食べに行きましょう。」
「うん!」
その日はずっと二人で過ごした。
本を読んで、音楽を聞いて、日向ぼっこして、おしゃべりして。
とてもゆったりとした、心地良い時間。
そんな時間を渚砂ちゃんと一緒に過ごせたことが
楽しくて、嬉しくて、幸せで。
できることなら、一生となりに居たいと思ってしまう。
そんな一日。
玉青視点
玉青はやっぱり渚砂が好きな設定
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